絶妙（絶命）な循環
		文字
		解説
			木偏の文字は多いが、「木偏」に「葉」という字は意外と見当たらない。葉は木を象徴する存在なのに、それが漢字では見落とされている。これは一種の盲点だったのかもしれない。 木は、大きな根、太い幹、分岐する枝をもち、その先に葉をつける。その構造は、自然界でもっとも効率よく栄養を吸収し、循環させるしくみといえる。 葉は光合成によって酸素を供給し、果実を実らせることで種を未来へとつなぐ。 この見事な循環は、意見を吸い上げ、熟考し、将来へつなぐ社会の理想像にも重なるだろう。 しかし、今の地球上ではどうだろう。特定の権力が強権をふるい、他を顧みず、朝令暮改を繰り返す。 一方、周囲は影が薄く、付和雷同で、保身を優先し、面従腹背感を隠したまま、危機のときにだけわずかに声をあげる。 木のような自然の絶妙な循環を、私たちは取り戻すことができるのだろうか。 それとも、今まで築き上げてきたものが絶命するのだろうか。 本作は、そんな2025年4月の世界へのささやかな風刺である。

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