煩悩？凡脳？本能？ or BON能？
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			社会全体が閉塞感や焦燥感に覆われ、根源的な欲望や感情が渦巻いているように感じる2025年前半の状況は、 「気違いに刃物」「馬鹿と鋏は使いよう」を想起させる。 他にも「虎に翼」「過ぎたるは及ばざるが如し」や、「毒を食らわば皿まで」「良薬は口に苦し」なども同時に思い浮かぶ。 「大山鳴動して鼠一匹」となるのか、それとも過去に規定した方向性（ベクトル）を変え、自己欺瞞を排し、先に光明が見えるのか、現時点では見通せないのも事実である。 こうした混迷のなか、不信心な私でさえ「煩悩」という言葉が頭をよぎる。克服すべきものとされる最も根本的な三つの煩悩（三毒）を「貪・瞋・癡（とん・じん・ち）」とし、「貪」は貪欲・執着心、「瞋」は怒り・憎しみ、「癡」は真理に対する無知・おろかさを意味するとのことである。この類の感情を原動力とする熟慮のない政策を打ち出しては修正することを繰り返しているとの報道も目・耳にする。 さて、2025年作の「ベクトル」では、２本の縦線にて「過去」と「未来」への方向性を示唆し、本作はその間に位置する「現在」を、三毒という人間の根源的な煩悩が絡み合う複雑な状況として捉え、３本の縦線で表現した。 この造形から三毒を想起するか、あるいは上記のようなことわざ・慣用句を重ね合わせるかは、各自と今後の歴史に委ねられている。 なお、「ベクトル」は創字100文字目、本作品は108文字目である。

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